2006年04月24日

アメリカ・アメリカ・アメリカ (その1)

「女子アナ」の方って、もうニュースを読める方とそうでない方に完全に二分化されましたよねぇ。今週は「アメリカ アメリカ アメリカ」と題してアメリカという存在を通して日本を眺めます。

もちろんネタ本はありまして内田 樹さんの 「街場のアメリカ論」 。アメリカというのはおじさんが子供の頃はうっとりするほどあこがれた国。そのアメリカとのつきあいをはじめから眺めてみる。

日本は「鎖国」の時代。鎖国といっても日本だけがしていたのではなかった。清国も李氏朝鮮も鎖国:塀を高くしてお互いに静かにしていたというご近所づきあいをしていただけ。ところが、その塀の向こうから聞き慣れない言葉:欧米の言葉が聞こえてくるし、「ビシッ」とか「バシッ」とか鞭打つ音と悲鳴(アジアの植民地化)が聞こえてくるようになって、日本も聞き耳を立てざるを得なくなっていた。

そこにいきなり大砲を撃ちながらやってきたのが黒船。ペリー率いるアメリカの船だった。そういう時代に日本は幕藩体制、奴らはどうやら「スティツ」:国というのでまとまって行動しているらしい。そこで「日本人」というのは対アメリカ用につくった。「日本という国」は対アメリカ用に作った国。

そこには、150年に及ぶ「アメリカの呪い」がある。その「呪い」とはなにか?近頃、アメリカをおそったハリケーンでニューオリンズが水没したが、TVニュースの論調は誰もボランティアに行こうとは言えない。『日本はアメリカを救えない』のはなぜか?

明治の初期から日本政府はアメリカは必ず攻めてくる、アメリカとはいつか戦争になると読んでいた。だって、最初から大砲を撃ってくるような国だからね。でも、明治維新の頃、アメリカは南北戦争をやっていて日本侵攻どころではなかった。

(2006/04/24~28 放送)

Source

cover 街場のアメリカ論
内田 樹 (著)

内容(出版社/著者からの内容紹介)
日本はどうしてこんな国になったのか? 現代日本はどうして「こんな国」になったのか? ――という問いをたどると、一貫 して「対米関係」を基軸に推移してきたことに思い至る。そこで仏文学者である著者 は、アメリカ問題の専門外という立場をフルに生かして、専門家では絶対にわかなら ない日米関係の本質をつぎつぎに指摘していく。 「日本人はアメリカ人に対して決して倫理的になれない」「アメリカの統治システム は上が変でも大丈夫!」といった、目から鱗の話を展開。170年前のアレクシス・トク ヴィルが墓場から甦って読んでも「わかる」(ように書かれた)、異色のアメリカ論。
内容(「BOOK」データベースより)
日本はどうしてこんな国になったのか?150年前にかけられた「従者」の呪い―専門家では絶対にわからない、目から鱗の日米関係。

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