2003年12月29日

出雲神話

国譲りまで地方回りの謎

お正月の歌「年の初めのためしとて」 出雲の神主さんの作詞。和歌が元になってる。

現代の島根では、お正月になると新聞に大きな一面広告が出る。出雲大社の神主がお正月の挨拶をする。市長さんや県知事さんを差し置いて、出雲大社の神主さんがまず挨拶をする。こういう古代の名残が島根には残っている。

日本書紀、古事記、風土記という古代の記録を読んでいきます。 なぜ島根から始まるのか謎。 そのあと島根→高千穂という風に地方に飛んでいるのが謎。

ここで武田さんは大国主命(おおくにぬしのみこと)を中心に素戔嗚尊(すさのおのみこと)との絡み、その後の国譲りまでの話を武田さん独特の語り口調でします。

大国主命(おおくにぬしのみこと) 地上界で国作りのためにいろんな地方の姫と交わって子を残す必要があった。 奴奈川姫(ぬなかわひめ) 「沼」「川」ヒメ(=新潟地方を指しているのではないか。一気に日本海沿いに北方まで広がった)に恋をする。

参謀は少名彦名(すくなびこな)。笹の葉に乗って、鵜の落とした羽を着物にしている。ここでなぜか突然、大国主命がいなくなって、恵比寿=息子の話になる。

そのあと、国譲りを行って大和朝廷が大きくなった。親族を地上に送っても不出来なやつばかりでうまくいかない。 邇邇芸命(ににぎのみこと)が天から飛び降りる。飛び降りた先が高千穂峰。なぜ大和に降りなかったのか。謎です。 神武が隼人を引き連れて大和朝廷を築く。なぜこんな遠回りをしたか。

その謎を説明してくれる本が見つかった。 「弥五郎(やごろう)どん」=出雲神話から抜け出た。 出雲と宇佐は参拝の仕方が違う。
別格な何かを感じる。 たとえば参拝の時の四拍手。「言いたかないけど面倒見たよ。」という感じがする。 普通のお宮さんは本殿で一直線。宇佐も出雲も参道は途中で直角に曲がっている。出雲と宇佐は何か特別なものがある。
たとえば 道鏡事件。 朝廷の一大不祥事。その始末のために神託を宇佐に求める。 どちらも訳ありの神様ですね。トヨと名前の付いた女の神様が必ず入っている。壮大なる歴史劇。

(2003/12/29~2004/01/02 放送)

Source

cover 楽しい古事記 (文庫)
阿刀田 高

Amazonの「BOOK」データベースより
イザナギ・イザナミの国造り、アマテラスの岩戸隠れ、八俣の大蛇。伝説の主役たちが、嫉妬に狂い、わがままを言い、ご機嫌をとる―。神々と歴代の天皇が織りなす武勇伝や色恋の数々は、壮大にして奇抜、そして破天荒。古代、日本の神さまはとっても人間的だった!「殺して」「歌って」「まぐわって」。物語と歴史が渾然一体となっていた時代、その痕跡をたどり旅した小説家・阿刀田高が目にしたものは!?古事記の伝承の表と裏をやさしく読み解いた一冊。

cover 現代語訳 日本書紀 (文庫)
福永 武彦

Amazonの「BOOK」データベースより
『古事記』と並んで「記紀」と呼ばれる『日本書紀』は、全三十巻に及ぶ「わが国最初の国史」である。本書は、『古事記』も訳した福永武彦による、最も分かりやすい現代語訳で精選抄訳した名著。神話、伝説、歴史と、さまざまな記録が織り込まれ、皇室の系譜を中心に語られる壮大な古代史を、現代の眼であらためて読む醍醐味。

cover 出雲国風土記 (文庫)
荻原 千鶴

Amazonの「BOOK」データベースより
本書は現存する五国風土記のうち、唯一の完本で、古代出雲の人々の暮らしのさま、土地の状況などを、数値も入れた整然たる構成で記載している。その一方で、出雲の神の国引きや、支佐加比売命の暗黒の岩窟での出産などの神話も詳細に語られ、数理的合理性と奇妙に共存している。興趣あふれる貴重な古典の全訳注。原文も収録。

cover 猿田彦と秦氏の謎
―伊勢大神・秀真伝・ダビデの影
清川 理一郎 (著)

Amazonの「MARC」データベースより
出雲神族の祖先神猿田彦大神を祀る神社は多く、信仰の裾野は広い。だが、「記紀」は、真の姿を抹殺したうえ、闇のなかに葬った。今、その復権・復活が古代史像を変える。

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