2003年12月15日

森が海を育てる(その2)

グリーンベンチ工法

「日本人の発想」ですよ。「栗原光二」博士が特許を持つこの工法は、高速道路などの法面(のりめん)を、木をさして棚状にすることで、コンクリートを捲いたりブロックを並べたりすることよりも強度が高く、メンテナンスも地元の林業とともに行えるという発想。実際少しずつ成果を収めつつある。その木でできた柵、腐れば取り替えてその腐った木はその場に放置する。そうそれがそのまま肥料になるんですね。大事ですねちゃんと腐ると言うことは。最終的には自力で回転していくという。

海を豊かにするために山を励ます

「パンの文明は滅びます」そうですね。中東メソポタミアのあの巨大遺跡、あれは小麦の文明の廃墟。小麦って水の管理は稲作ほどではない。乾燥した土地でも成り立つ。遊牧と同様に広大な自然があって人口が少ないうちは成立するんだけど、じき破綻する。麦畑を拡大するために森林の伐採をする。結果として土地が痩せ増えた人口を養えなくなってしまう。

私たちは良い文明を持ちました「稲作」。世界でももっとも豊かな場所が日本にあります。それは富山湾。立山連峰3,000m級の山々を背後に富山湾はすぐに1,000mの深海をなしていて、そこへ対馬海流が流れ込んで栄養が大きく水車のように回転している。

(2003/12/15~19 放送)

Source

cover 日本<汽水>紀行―「森は海の恋人」の世界を尋ねて
畠山 重篤 (著)

内容(「MARK」データベースより)
森と川と海が一つになるところに、人間にとって大切なものがある-。「森は海の恋人」の植林運動を行ってきた気仙沼の漁民が、海藻・魚介の宝庫である汽水の恵を求めて全国の河口をめぐるエッセイ。

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