2005年09月05日

男という不安

今週は小浜 逸郎さんの「男という不安」。村上龍さんがエッセイで「すべての男は消耗品である」と言ったけどすごく共感しますね。男って時代の中で消費されていくものである。ってことですよね。

男は、そもそも加工品。女性XX染色体 男性はXY。女性の胎内では最初女として芽生える。その後アンドロゲン、テストステロンといった加工物質を浴び、「加工処理」をうけて男になる。

女の人は自然のサイクルを持っている。進化の歴史を十月十日で辿らせて生命を生む。女は自然に守られて地上に生まれる。それに対して、男は地上に追放されてくる。といえる。

男は森があれば「切り開かなければならない」と思う。丸いものがあれば蹴りたくなるし、サッカー、あれは二足歩行で最初にやった行為だといわれていますよね。男は自然に挑む。女性こそが自然。母ちゃんの風の吹き加減。

少年の犯罪:男性 再犯率の高いのは男。破壊的な部分がある。故に一度男はオオカミにならなければならない。オオカミという野生を生きなければ着なければならない。きちんとオオカミを卒業させない限り男の犯罪は減らない。

犯罪率は人口10万人あたりの犯罪認知件数を言う。この表は18歳未満の少年を対象にした調査結果

平成10年 (2002年) 刑事犯 殺人犯
アメリカ20457.1
ドイツ75855.9
イギリス30632.6
フランス23102.4
日本16710.5
先進五カ国 少年の犯罪率を見てみると、日本は少年犯罪が増えたと言ってはいるが先進国内で比べてみてもよい方なのではないか。きちんと事実を事実としてみる目がなければマスコミに踊らされてしまう。

今の教育は間違ってるぞとか言うけど、この教育の中からイチローや松井を生んだ。 戦後の教育は立派な教育だったと言えるんじゃないでしょうかね。

男が男になるとはどういう事か。 「男が一人の女に対して誰の助けを借りずに一人で向き合う力。」 女性に対して一人前になれないという男が多い。 親たちがなかなか男を一人前にさせようとしない。と言う面もあるようですね。

ちゃんと男として卒業できていないために、自分の中の野生を押さえつけることができない。少年の場合親に甘えるために犯罪を犯す。他人の力量を試すために犯罪を犯す。サバンナに生きる獣は一人にされてしまう。

13歳で一回通過儀礼をやった方がいいんじゃないか。名前・親・性・性別を国家の元で再確認させる。あなた名前気に入ってる?親気に入っている?自分の中の性をみつめなさい。日本すきか?

親はどこまで行っても親だから、子も子だから。それが家庭内暴力につながっているのであるのならば。秘匿するのであれば13歳での通過儀礼 書類として残しておく。

学校を選ぶ=今の受験体制は「官僚養成」システム。これはお役人になりたくない人にとっては何もならない。他の人は別の教育を受けていい。

そして20歳でもう一回考え直すことができる。運転免許、職業選択の権利、選挙権、結婚。選挙なんて常に投票率が低い。これももう一生選挙に行きませんと言う人には選挙権を与えないという方策があってもいいのではないか。と言う提案。ちょっと乱暴ではありますが。

あまりにも平等を簡単に人に配っている。子供を育てるよい環境=少し貧しく少し寂しく少し平等ではないこれがよい環境。だって、娘をハワイに連れて行った思い出なんかだでも聞きたがりませんよねぇ。 人が聞き耳を立てる子育ての話は「寂しく貧しく」きれいにうまくいっている平等から人間は何も学ばない。

小浜さんの文章には結論を出すための論理を辿っていく途中にいい言葉がある人。

男と女の性の関係:させてもらう と させてあげる の関係。なんか朝からどぎついですが。もらわなきゃならない という男の弱み。性はあくまでも女性の側から提供する報酬。

愛されている 求められている 必要とされている実感。これは、女性から求める実感であって、男性から女性に与えるもの。この逆はあり得ない。カップルの30%は1年以内に男性側からの性の欲求がなくなる。いわゆるセックスレスのカップル。これは男性が女性に愛していると言い続けなければならいストレスがあると言うことらしいです。 そして、男性は今や柔らかなニヒリズムに陥っている。ニヒリズムに陥らなければ男の性を維持できなくなっている。

男のエロスは成熟しない=大人になり得ない。大人である自分を守り抜ける人は恋愛は不可能である。 恋愛というのは自分を守らない。自分を守らないというのが恋愛の基本ですよね。

女性は集団化して行動する。だいたい三人一組。役割分担があって「倫理」「自由」「沈黙」の3タイプ。
オオカミが近づいてくると 「倫理」がさわぐ。「こんなに遅くなっちゃって。私もう帰らなきゃ。」
「自由」がいいんじゃないと騒ぐ。「いいじゃない。何かいいかことあるかもしれないから。」
そして、横で何も言わないで微笑んでいるのが「沈黙」

男が好きなのは「沈黙」なんですよね。この「沈黙」をおとしたいばっかりに、つきあいたくもない二人とつきあわなければならない。男たちはフェミニズムを支持するためには負けたふりをし続けなければならない。

女房に理解してもらえならない一言。すべての男は自爆装置を持っている。 男は追いつめられると自分を粉々にする。これが50代以上の男性が引き起こす事件。

たとえば西行法師、奥さん子供をけったくって、出家。
堤さん 口の利き方が虚無的。
太宰治 自爆装置を文学へした人ですよね。もう私生活は女の敵と言ってもいいですよ。奥さんがいて、愛人がいるのに、違う人と入水自殺。残された女性は傷つきますよね。なのにその作品は女性に支持される。

(2005/09/05~09 放送)

Source

cover 「男」という不安 (PHP新書)
小浜 逸郎 (著)

Amazonの内容「BOOK」データベースより
少年犯罪、ひきこもり、ストーカー、中高年自殺といった現代の社会問題の主役は、大半が「男」である。男が弱くなった、危なくなったと言われて久しいが、何が彼らをそうさせているのか。他方、いまの日本の女たちはもはや男など頼りにせず、決然と自立を目指しているかのように多くのメディアは報じるが、それはほんとうなのだろうか?現代日本の男たちが直面している困難を多面的に照らし出し、いまあらためて再考されるべき「男の値打ち」「男の生き方」を模索する真摯な論考。

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