1998年11月06日

EX-150:アンプモジュール

なぜアンプが付属しているの?

 STシリーズから電子ブロックにはアンプユニットが付属するようになった。
 最初に接した電子ブロックがST-45だった。1971年頃だっただろうか。電子ブロックを初めて見たのは地元の「教材・模型店」のショウウィンドウ、DR-2Aだった。このDR-2Aが欲しくて親を「教材・模型店」に連れていったのだか、そこの店員さんは親に向かってこう説明した。「今度新しくでたこっちのほうはアンプとスピーカがついてます。これがついて同じ値段の3950円ですから、こっちのほうがいいですよ。」そして、DR-2AとST-45をショウウィンドウの上に並べてみせたのである。もちろん見栄えはST-45の方がいいし、ブロックも透明でかっこいい。私も親も即座にST-45を選ぶことにしたのだった。

 なぜ、電子ブロックにアンプがつくことになったのだろうか?この疑問は最近解決した。「一回ブロックとして組み込んでしまえば、あとは標準部品として使用できますからね。」と現在の(株)電子ブロックの方がおっしゃった。じつは、DR,SRシリーズはごく小数の部品を使った基礎回路から発展していく仕組みになっているのだが、後半、高度な回路になっていくと、回路の半分の箇所はスピーカを駆動するアンプ回路になってしまい、回路のバリエーションはアンプへ入力までのモジュールの実験に終始する。すると、このアンプの部分をカプセル化するとこの実験の本質がよりわかりやすくなるのではないか。そして、スピーカーがついているということが新しいSTシリーズのパブリシティになるのではないか、電子ブロックの営業は恐らくこう考えたに違いない。

 学研との提携後発売されたEXシリーズは、この考え方が極度に商業化された形になっていて、DR,SR,STシリーズを知る私はちょっと悲しい。EXシリーズのアンプユニットを取り外してみるとそれがわかる。


本体ケースに組み込まれたアンプユニット 現在の目から見てもとてもかっこいいアンプ部
アンプユニットの'IC'が誇らしげである

アンプユニットのラベル。

アンプユニットを裏返してみる なんと驚くほど部品点数が少ない
ICがひとつ、あとはコンデンサ

 アンプユニット内はスピーカとコードが目立つ。基盤にはIC一つとあとは数個のコンデンサ。付属のボリュームはアンプの音量以外に、実験回路内の可変抵抗としても使える。

(1998-11-06 作製)

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