2001年06月26日

議定 24

思考を獣的なものに落とし込む

さすがに書き疲れたのか、肝心要が心許ない

 次にダヴィデ王朝の土台を世界最後の段階まで一層強固にする方法に進もうかの。

 この方法は、何よりも第一に、今日まで世界の全問題を遂行し、全人類の思想教育を指導してきた儂らの賢人長老たちが積み重ねてきた伝統的な方法によるものなんじゃ。

 ダヴィデ王の子孫のうちの数人が、相続権ではなく優れた資質を基準にして王と後継者を選定する。その人々には、政治の最高機密と政府の仕組とが伝授されるが、常に何びとにも極秘の知恵が漏れぬように留意するのじゃ。この方式の真意は、このような秘義を授けられたことがない者には、政府を委すことはできぬということを徹底させることに有るのじゃ。

 これらの人々にのみ、何世紀にもわたる諸経験と比較しつつ、朕がこれまでに述べたような計画の実際化や、政治経済運動や社会科学研究の全成果・・一言で言えば、人間関係を律する動かしがたい天然法則の大真理・・が伝授されるのじゃ。

 直系の子孫が王位継承から外されるのは、秘義伝授の過程で浅薄・軟弱その他、王の権威破滅となる資質が明らかになった場合なのじゃ。そのような性向は統治者には不向きであり、王宮においては危険な人物となるのじゃ。

 たとえ残忍であったとしても無条件に断固たる人物のみが、儂らの賢人長老たちから支配統治の手綱を渡されるのじゃ。

 病気に罹ったり精神障害があったりその他王たるにふさわしくないことがあった場合には、王は律法に従って統治の手綱をふさわしい者に譲らねばならぬ。

 通常の時間における王の行動計画と将来に関することはすべて、最も親しい助言者たちにも知らされぬ。

 王と三人の顧問のみが、将来の計画を知っておるのじゃ。

 断乎とした意志で自分と人類を律する王の人柄には、万人が神秘の宿命を認めるのじゃ。何人も王が何を行おうとしておるのかを知らぬので、あえて知らぬ小路を遮ろうとする者はおらぬ。

 王の頭の中には実行すべき政府計画を理解するに足りる知恵が貯えられていねばならぬ。王位に就く前に、前に述べた賢人長老たちが試験を行うのは、そのためなのじゃ。

 人民が王を敬愛するのは、王が市場などで人民に意見を述べることを欠かさぬからなのじゃ。現在では儂らが両者の間に恐怖の溝を作って引き離しておるが、双方を結びつける必要がこれで満たされるのじゃ。

 この恐怖は、時が至るまでは、両者を儂らの影響下に置く為には必要欠くべからざるものなのじゃ。

 ユダヤ王は自分の感情、とりわけ情欲のとりこになってはならぬ。王は自分の人格のどの一面でも、荒々しい本能に精神をしのがせることがあってはならぬ。情欲はいかなる精神的な欠点よりも、明晰に見る力を殺ぎ、思考を人間の性質中最悪の獣的なものに落とし込むのじゃ。

 ダヴィデの聖なる子孫である全世界統治王その人は、人類の支柱であり、人民の為にはいかなる個人的希望をも犠牲にせねばならぬ。

 儂らが至高の王は完全無欠の権化でなければならぬ。




「ダヴィデ王朝の土台を世界最後の段階まで一層強固にする方法」としてトリを飾るはずの「議定」なのだが、何とも心許ない。観念的な言葉を振り回すだけになっていて、議定の会議も24回を迎えることには疲れが出てきたんだろう。

 「完全無欠の権化」と「朕」にとっては結構辛い要求を「賢人」から突きつけられている。「朕」はぐうの音も出ない。

(2004/07/01 コメント)

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