2001年07月03日

議定 17

ユダヤ王は真の世界の法王

やつらを破滅させるのに都合のいい位置におる秩序回復の代理人

 弁護士活動は人間を冷酷、非情、頑固、破廉恥にするのじゃ。弁護士は如何なる場合にも、人間ではなくひたすら法律の観点からのみ問題を論じるのじゃ。やつらは如何なることを取り上げるにしても、弁護する価値があるかどうかと考えるのが習慣になっていて、弁護した結果、公共の福利がどうなるかは考えぬ。なんでもかんでも弁護を引き受けて断わることをせぬというのが普通であり、無罪を目ざして極力奮闘し、法律上の細かい所にこだわって片端から難癖をつけ、挙句のはてに正義を地に落とすのじゃ。であるから、儂らは他の行政公務員と同様にこの職業の範囲を狭く絞り込んでおこうと思う。裁判官と同じく、弁護士が訴訟当事者と直接接触する権利は剥奪するのじゃ。やつらは法廷からのみ仕事を受け、訴訟書類や報告を調査し、法廷で被告が尋問を受け事実が明らかになった後に被告を弁護するのじゃ。如何なる弁護をしたかという内容に関わりなく報酬を受け取るのじゃ。このことは弁護人は、告訴のための審理記録人である代訴人に対して平衡を保つための、正義のための法務の単なる記録人に過ぎなくさせるのじゃ。こうすれは、個人的な興味関心からではなく確信に基づいた、偽りのない公平な弁護活動が可能となるのじゃ。また、この方式にすれば、現今横行しておるような、金をよけい出さなけれは裁判には勝てぬという弁護士の腐敗堕落を除去することにもある……  儂らは過去長い時間をかけて、畜生共僧侶の信用を落とし、それによって、放っておいたら儂らの大きな脅威となったやも知れぬ地上におけるやつらの伝道を凋落させるようにして来たのじゃ。今や日一日と、世界の人民に対するやつらの影響力は低下しつつ有るのじゃ。信教の自由とい「うことが至る所で喧伝されたので、今やキリスト教が完全に破壊されるのはここ数年のうちに過ぎなくなったのじゃ。ほかの宗教に至っては、骨抜きにするのは更に容易であるが、今この問題を論ずるのは時期尚早である。儂らは聖職者重視の教権主義や聖職者たちの力を、以前やつらが華やかなりし頃に持っていたのとは比べものにならぬほど狭い枠に押し込めるじゃろうて。

 決定的に法王庁を破壊する時が来れは、見えざる手の指が各国民に法王庁を指さすじゃろうて。しかしながら、国民がそれに襲いかかろうとしたら、あたかも過度の流血を防がんとするかのように、儂らは法王庁の擁護者を装って進み出るのじゃ。この転換によって、儂らはやつらの深奥にまで足を踏み入れ、間違いなくかの最強部を腐食し切るまでは二度と出て来ぬじゃろうて。

 ユダヤ王は真の世界の法王、世界にまたがる教会の総大司教となるのじゃ。

 じゃが、一方で、儂らが青年層を過渡期の新しい伝統の宗教に、後には儂らの宗教で再教育する間、儂らは明らさまには既存の教会には指一本触れぬが、教会内部の軋轢を目ざし批判を加えて宗教人と闘うのじゃ。

 その場合、一般的には、儂らの現代の新聞は畜生共の国家問題、宗教、畜生共の無能さを断罪し続けるが、常に、わが民天与の才能を振い、あらゆる手段を駆使してやつらの威信を剥奪すべく、罵詈雑言を浴びせ百方中傷する……  儂らが王国はインドのヴィシュヌ神になぞらえ擬人化すると・・儂らが百本の手の一本一本は、社会という機械のバネを握っておるのじゃ。警察というのは、儂らが畜生共の為に入念に作り上げ、しかも政府は覗けぬ望遠鏡であるが、その警察の力を借りずとも儂らは何もかもが解るのじゃ。儂らの計画では、儂らの臣民の三人に一人が、国家への無料奉仕義務として他の二人を監視するのじゃ。かつてのようにスパイは恥ずべきことではなく、評価すべきことなのじゃ。しかしながら、根拠のないことを密告した者は厳罰に処し、密告権の濫用を慎ませるのじゃ。

 この儂らの代理人は、社会の上層からも下層からも、さらに暇な時間を娯楽に費す管理層、編集者、印刷業者や出版人、書店業、店員、販売業者、労働者、御者、従僕等々からも採用するのじゃ。この組織は職権を持たず、目撃したことについてなんらかの行動を起こすことは許されず、なんら権限のない警察であって、唯一観察し証言するのみなのじゃ。供述を確かめ゚たり逮捕を決定したりするのは、警察の責任ある取締官の仕事であり、実際の逮捕には憲兵隊や都市警察があたるのじゃ。警察担当の事件で、見聞したことを報告せぬ者は、隠匿罪で告発されその責を負い、それが証明されれは有罪となるのじゃ。

 今日も儂らの兄弟たちは、自分の責任において、自分の家族の背教者や結社に反対する行動をとった結社員を告発する義務を持っておるが、それと同じことを全世界を支配する儂らの王国においても、わが臣民全員に国家に対する奉仕として義務づけるのじゃ。

 このような組織こそが、権威権力の濫用や贈収賄や儂らの機密計画を使い、人間についての超人類的な理論を駆使し、儂らが畜生共に植え付けた悪習のすべてを根絶させるであろう……じゃが、やつらの政治の中に混乱を植え付け増大させるのに、果たして他に方法があったじゃろうか?……あまたあるこれらの方策の中でも、最も重要なるものの一つは、やつらの悪の偏執性・・どうしようもない自惚れ、権力の無責任な濫用、そして、何よりもかによりも賄賂・・を拡張発達させ、やつらを破滅させるのに都合のいい位置におる秩序回復の代理人なのじゃ。

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