2002年04月14日

水に凝る

健康オタクの私が如何にして水に凝ってきたかと言うと

 もう今ではどこに行っても浄水器をつけている。つけてないところって誰のものでもない蛇口(なんじゃそりゃって、誰も責任をとらない場所にある蛇口。公園とか(水に対する意識の低い)会社の給湯室とか..)ぐらいなもんだろうか。なぜこれほど浄水器が普及したのか?

 はじめて上京したのは20年以上も前、住んでたのは本郷の下宿屋。トイレ炊事場など水周りは全部共用で、もちろん浄水器なんかつけられない。「なんてくさい水道水なんだろう」これが最初の感想だった。それも季節によって臭さが変わる。夏はもうなんか薬品を飲んでるような気持ち悪さで、たまらないものがあった。夏は水が腐りやすいからカルキの量を増やしていたのではないのか。

 学校はすこしましだったか..世田谷にあった。東京は浄水場によって水の味が違うんだなぁということに気づき始めた。そんなこんなで、学生の頃は臭い水に我慢して、ペットボトルや缶入りのジュース、お茶(ようやくではじめた頃1984~だった)などで、お茶を濁していた。ほんとうに。

 ペットボトルの水は普及してなくて、10リットルなどのボックスに入ったミネラルウォーターなどが少しずつでてきたころだったろうか。業務用という感じの箱だった。JRが上越新幹線のトンネル掘削で湧き出した水を「大清水」と名づけて売り出した(1984~)のもこのころだった。

 学生だった私は、それまでの経験では「水をボトルで買う」なんてのはナンセンスだと思い込んでいた。だって蛇口をひねればいくらでも「飲める水」が出てくるんだし。売る方だってそうだったのではないだろうか。いくらおいしいとはいえ何も手を加えない湧いた水がそのまま日本で売れるとは到底思えなかった。当時ニュースで覚えいてるのは中東から石油を積んできたタンカーの帰りに、日本の水を詰めて向こうで売ってるということだった。これは空荷がもったいないということよりも、タンカーの喫水の関係があるらしい。

 そんなこんなで、自分の体に異変が起きていることに気づき始めた。高校生の頃からにきび面だったのだが、それがだんだんひどくなって行くわけです。油濃いものがすきということもあったので、それが原因だとも思っていましたが、何か変。それから、胃腸。血便が出たので検査してみたら、十二指腸潰瘍。上京後のストレスもあったかもしれない。田舎で能天気に過ごしていたときとはえらい違いでである。あこがれ続けた東京の生活ってこんなだったのか...?

 元来詮索好きな私は調べ始めた。といっても金の無い学生のことだから、図書館とか無料のパンフレットとか、そういったものを集めまくった。当時はインターネットなんて無かったし。調べてみるうちに判ったことで一番ショックだったのが、水・ストレス・空気という要因でした。ストレスによって体調に変化が生じるというのはよく聞いていましたが、全国一律で安全な水道水とか何の気なしに吸ってる空気とかが、体にとってこうも大きな影響を与えているとはと驚いたものです。

 でもどうしたらいいんだ?田舎の母は「湯冷ましで飲みなさい」っていうけど、水道水を電気ポットで沸かして冷ました水ってのはなんだか一層まずくなって、不純物を濃縮したような感じ(これも、あとからある意味あたっていることがわかった)だし、空気なんて隙間風だらけの下宿とかアパートではもうしょうがないって感じだった。

 最初に対策を施したのは水道水。このころは本郷の下宿屋から豊島区のアパートに引っ越していた。アパートの一口コンロの横の蛇口に取り付けたのは、200円くらいの水が飛び散らないようにするあのやつ。レバーをひねるとシャワーにもなるというものの中に、1層だけ活性炭がちょこっとだけ入っているものだった。透明になっていて横から見える。今思えばただの気休め。それでも、そのフィルターが汚れていたり、小石が入っていたりしたから、まあある程度効果があったのかもしれない。

 世の中バブルが真っ盛りで景気も急上昇の時期でした。そんな中で、「おいしい水」のブームがじわりとやってきていた。最初に私の目の前にやってきたのはアルカリイオン整水機だった。といってもパンフレットだったけど。これは飲食店向けの整水機(じつは実家はラーメン屋。飛び込み営業がやってきたのだろう。)で、アルカリイオン水と酸性水(アストリンゼント水)が出てくるというもの。パンフにはコーヒー店やバーなど導入している店の様子と店主の声。機械は月額数万円のレンタルでとても個人で買えるようなものではなかった。が、このときに「アルカリイオン水」というものが私の頭に刷り込まれたのかもしれない。

 これがほしいと思っていても、個人では持てるような金額でもなく、ただパンフレットだけを眺めていた。といっても、パンフの表紙にはスケスケの衣装を着たおねいさんが水道の水と戯れるといったちょっとエロなものだったので^_^;;それを眺めていたというほうが正解だったのかも...いずれにしても、パンフレットを捨てさせないというその時の会社の戦略は功を奏した...のかな。買ったのは別の会社のものだったが。

 社会人になってから(この頃は世田谷のアパートに引っ越していた。)最初のボーナスを頭金に、ついに、すっごく高いアルカリイオン整水機を買った。据え置きタイプのものだ。そのころには「水を買う」ということにも少し慣ていた。「六甲のおいしい水」といえば誰でもわかるミネラルウォーターになってたし。たしかに変な匂いのおする水道水よりはマシだもんなぁ..でもこれ水道水の何倍何十倍の値段なんやろう?

 アルカリイオン整水機はその意味では「お得」な買い物だったかもしれない。なにせ、十二指腸潰瘍が快癒しちゃったんだもん。安定した(?)職に就いたという安心感もあったのかもしれないが、社会人1年生としてはやはりストレスの多い生活にあって、それなりの役を果たしてくれたのかなと感謝してる次第。いまでも、使ってます。それに、やはり市販のボトル入りのミネラルウォーターを買うよりもずっと安上がりだったということだろう。

 その頃からよく聞くようになった言葉が「機能水」とか「活水機」とか「整水機」。なんだか、一般名詞ごかしの商品名まがい というような気もするが。実際水についてはまだよく分かっていない部分も多いらしく、最近出版された「水は答えを知っている」(サンマーク出版)にいたっては、人がその水にどんな接し方をしているかで状態が変わるという、すごい内容。ただ、人間の体が約60%が水、病は気からということを結び付けてくれるような内容でもあって気にはなっている。だれか、追試をしてくれると面白いんだけど。

 最初の頃は浄水と整水というのを混同してたのだ。私がバカ高い整水機を買ったときにはすでに蛇口に取り付ける簡易タイプの浄水器はいくつか安価で出てた。でもこれって、最初につけた200円の「気休め蛇口」にちょっと毛が生えたようなもの「デラックス気休め」浄水器にしか思えなかった。どうせつけるんだったら、と高くても機能のはっきりしているものを買った..とこのときの私の心理をちょっと振り返ってみるとこんなだったのだろう。

 つまり、「デラックス気休め」浄水器を買うとすればそこに私は何を求めるのか→結局気休めぢゃん  じゃあ、高い整水機を買うとすればそこに何を求めるのか→水を自分にとって良いものにしてくれる機能か!

このときには十二指腸潰瘍、にきびという悩みがあって、その解決法として アルカリイオン水:十二指腸潰瘍に良いよ 酸性水(アストリンゼント水):にきびなどに良いよ という知識があったためにこれが結びついたのだという感じだろうか。結果、この整水機はその後10年以上現在まで愛用し続けることになる。

 そうそう、2000年問題の対策(?)として15リットル入るポリタンクを買った。内部に抗菌処理が施されていて水を保存できるという歌い文句。これに100円ショップでたくさん買った、備長炭の入ったバッグをいれた。これに水を入れるだけれ意外や意外。結構おいしくなる。さらにタンクの底にに磁石を貼り付けた。冷蔵庫にメモなんかを貼り付けるあれである。んでもって「磁化水」ってわけ^_^;;

 今では、いろんな浄水・整水・活水・機能水・情報水などなど水を良くしよう、機能を持たせるための機械、あるいは持たせた水がたくさん出てきている。いろんなものを次から次に試してみたい。まさに百花繚乱の様相で、私はどれにも興味深々。で、片っ端から手を出してみようとしているのが現在の状態。

 そこで、浄水器の原点回帰がここ最近のアクションである。飲むときには整水機を通してカルキを抜いた水を飲んでるのに、お風呂に入るときにはそのままの水(もちろん沸かすからお湯)を使ってるのは変ぢゃん。ということで、熱水を通すことのできる浄水器を探したが、無い。そのうち、いづれビルトインタイプのようなもので出てくると予想されるが、現在ではシャワーヘッドタイプのものだけのようだ。私はお風呂のお湯をはるのにこのシャワーを使っている。このお湯のやわらかさというか、肌触りが全然良い。水道水のままだとピリピリする感じがあるがこのお湯の場合にはそれがない。

 つぎに、浄水器..といっても使っているのは実は「整水機」で浄水しているのはアルカリイオン水側に気休め程度フィルターがついていることにようやく気づいた。(遅すぎるって^_^;;)何のことは無い、整水機と浄水器とは別物だという認識をやっともったのが現状ということ。フィルターを交換した直後はおいしい水が出るのに数ヶ月と経たずにカルキ臭い水になってしまう。いろいろ調べて、「浄水」ということにこだわったものを選ぶことにした。浄水の種類にもいくつもあって、「軟水化」機はやめることにした。せっかく原水に含まれているミネラル分を損なうことになってしまう。圧縮活性炭方式の高いものだが、やっぱりこのときの私の心理は10年前と同じだということに気づいた。

 整水機には機能には満足して目的は達成。 でも 浄水という面では「デラックス気休め」だったことに気づいたんです。それじゃあ、今度は本当に「浄水」しているものを探そうということである。

2002-04-14
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