2003年02月03日
死ぬ瞬間
話題の落ち穂拾い
「死ぬ瞬間」/エリザベス・キューブラー・ロス
覚心さんの金山寺味噌
今まで取り上げた話題で話しきれなかった、ところをつまみ上げてゆく。
死にかかった人へのインタビューを続ける、エリザベス・キューブラー・ロス。人間は死を受容した瞬間から、ものすごく深い生命の不思議にふれてゆく。彼女の活動から「死を完成させるための医療」ターミナルケアという発想が生まれてくる。さらに彼女には「臨死体験」の報告が続々寄せられてくる。これは西洋世界に大インパクトを与えたのだった。
しかし、現在彼女は死の床にあり、じっくり話を聞いてくれる人がいない。今までの自分の功績に対して否定的になっている。こういうときに救いになるのは多神教世界。我々の住んでいる世界。神々も疲れてお湯屋に休みに来るという「千と千尋」の世界。 この話題は再び後の週に、じっくり扱うことになります。
長野の覚心和尚。発心して仏教を学ぶが、40すぎてなお修行が足りぬことを悟り、宋に留学する。ありとあらゆる仏教を身につけ京で天皇や公家相手に仏教を説く身となるが、それに飽きて和歌山の由良に逃げ込んでしまう。そのあと留学中の宋で食べた味噌が忘れられずに味噌造りに夢中になってしまう。その結果、死ぬ直前に完成させたのが「金山寺味噌」(金山寺は宋で修行したお寺の名前(鎮江府金山竜遊江寺 = 径山寺(きんざんじ)なめ味噌の傑作。その溜まりが醤油。覚心和尚の仏教に帰依した一生の結果が味噌醤油というのもいいですなぁ。この生き方もいいですなぁ。
NHKの世論調査。回答率50%を超えた程度のアンケートはアンケートいえるのか?マッサージ師との会話「アメリカって厭よね。中世が無いから」そういえば、アメリカは中世という経験がない。封建時代を体験していないから、今も中世と戦っている国だなと思って。そういえばアメリカ映画もいつも中世と戦っている。宇宙にまで中世を引っ張っていってスターウォーズだとかいってる。これは「中世」に対する愛憎だろう。アメリカが敵だと言っている国は中世の名残が濃厚に残っている国だ。
Source
死ぬ瞬間―死にゆく人々との対話
エリザベス・キューブラー・ロス (著), 川口 正吉 (翻訳)
出版社絶版のようですが、アマゾンからはユーズド品として入手可能のようです。
死ぬ瞬間―死とその過程について (文庫)
エリザベス キューブラー・ロス
Amazonの「BOOK」データベースより
死とは、長い過程であって特定の瞬間ではない―人生の最終段階と、それにともなう不安・恐怖・希望…二百人への直接面接取材で得た“死に至る”人間の心の動きを研究した画期的な書。
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