2003年03月10日

ファーストクラスの音

県道を行く

江迎町・山下元蔵・名古屋金山・美濃市・関・松井田・上信越道路

大刀洗町から平野部を国道204号線を行く。平戸街道にはいると岩が迫ってくる。国道204号線を進むと天が深くなる。江戸期の本陣跡が残っている。この本陣は手つかずでそのまま。御成門をくぐると御成の間。その裏には人工の滝が4本ほど。春雨のような驟雨の音。ザーっという音に陰影がつく。この音は何かににているなと思ったら、エールフランスのファーストクラス、ジェット気流と擦れ合う音。昔も今もファーストクラスの音は変わらない。

お殿様の使った伊万里焼の紙押さえ。焼き物なのに布に見える。一流の贅沢。元蔵麹を醗酵させるための建物で、屋根を見るとアンブレラのように曲線を描いている。なんとこれは杉の大木で最初から曲がった物を見つけてきてあわせた。空間設計家というのは今よりも江戸時代の人の方が上手ではないか。

昔話、天叟公(てんそんこう)の 水かけ地蔵 「せっかく子供と遊んどったとに、鍵ばして閉じ込むっとは、何ごっじゃ。今までんごっしてほしかぞ。」いい話ですよね。ほっとする。なんでほっとするか。死人と遊ぶからよ。東京の暮らしの中で時々息苦しくなるのは暮らしの中に死人がいないんだよ。江迎町に行くともう、人生の縮図だよね。国道204号線があって、酒蔵があって、働く人々の商店街があって、一本奥が住宅地の通りがあって、その奥は寿福寺にゆくお寺への道があってお寺の上はお墓なのよ。人間がさあ、300mの幅で一生を送れるっていう。生まれて、川で遊んで学校に通って、死ぬっと言ったところで遠いところにいきゃしない。2本道おくの路地裏のお寺さんのお庭に自分が移るだけで。..いいなぁ。都会暮らしの切なさは...田舎に行って落ち着くのは、生まれる死ぬっていうのは生活の場所に同居してるんだな。

名古屋・金山のちかくの畑中地蔵。花街の街角これは、今も御利益のある岩らしい。町の人たちには岩のおかげを被っている。空襲の時にはこの周りの家だけは焼けなかった。調べてみたら、ストーンサークルのメンヒルらしい。ボクシングの世界チャンピオンの畑中選手。このすぐ近くらしい。旧石器時代のストーンサクルの岩に御利益が宿って、平成の御代に世界チャンピオンをボクシングか出でだしたって言うすごいおとぎ話。俺も拝んだよ。街角にぼそっと岩があって、町の人が岩井赤いよだれかけを、きゅっと締めるとふっと頭を下げてしまう日本人て、やっぱ神様多い方がいいなあって。

最近意外なところで「贈る言葉」が売れ始めて、これは御利益か。

美濃市はうだつの上がる町。うだつは家と家の間につくる防火壁につける飾り瓦のこと。上信越道路はすごい。山の尾根尾根に棚でも掛けるようにして高速道路を造っている。あるパーキングで休んだらばばあの大群が命かけてから会いにやってくる。「轢くなら轢けぇ!」そのパーキングエリア名は「姨捨」おばすて

(2003/03/10~14 放送)
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