2003年05月26日
赤頭巾ちゃんの謎
ディズニーランドに赤頭巾ちゃんはなぜいない?
世界中どこのディズニーランドに行っても赤ずきんちゃんを見かけない。それはなぜか? 1697年、フランス。シャルル・ペローが作者。太陽王ルイ14世の時代。宮殿では不義密通が横行。
赤ずきんちゃんのあらすじ。
赤ずきんちゃんは、なんと オオカミと知り合いだった。挨拶しますからね。
ではオオカミはその日に限ってなぜ赤ずきんちゃんを襲ったのか?それは、赤いずきんを被っていたからでしょうね。だって、赤ずきんちゃんの変化ってそれ以外ありません。
なんと、おばあちゃんに扮したオオカミは赤ずきんちゃんに素っ裸になるように命じてベッドに入るように命じます。そして、最後は「オオカミに食べられてしまいました。」これで終わり。ペローの原作では食い殺されたという結末。フランスには似たような話がいくつもある。セックスと強姦、食人、排便という要素が強い。最初は貴族向けの「艶笑話」だった。
赤いケープは成熟の印。未成熟な女性が成熟な振りをすると大変危険な目に遭いますよ。ということ。
現在の助かってしまうあの話しは?話しを改竄したのは誰?
それはグリム兄弟。若い猟師が出てきておばあちゃんと赤ずきんちゃんを助け出す。子供向けの話しにしてしまった。
赤ずきんちゃんは変化させやすい。ついには「赤ずきんちゃん:ストリッパー」「オオカミ:熱心なファン」みたいな話まで出てくる。1950年代MaxfactorのCMにまでなる。ついに「森の処女」から「都会の成熟した女性」へ変貌する。
ディズニーランドのキャラクター達は結末が決まっている。赤ずきんちゃんは変容しやすい物語だから、ディズニーランドに入れてもらえない立場だった。
さて、女を襲う男を「オオカミ」としてしまったグリム兄弟。この話が世界に広まって行くにつれて、明らかにオオカミの頭数が激減してゆく。イギリスをはじめとしてヨーロッパやアメリカではオオカミが絶滅。基本的にオオカミは人間を襲わないんです。
最近の男性のビジュアル系シンガーは美しいオオカミを気取る。よくかみつくといえば「おすぎとピーコ」キムタクは子持ちの美しいオオカミ。危険な香りがある。
芸能界ではデビューしたての若い女性を赤ずきんちゃんに見立てると、猟師を気取ったファンを集めやすい。ただしここでは「オオカミ」役が絶対必要。小室哲哉はまさに「オオカミ」の役を進んで買っている。デビューさせた女性達はみんな赤ずきんちゃんのイメージ。オオカミから逃げまどう赤ずきんちゃんの金切り声。だから、最高キーに音を上げといてギリギリまで声を出させる。
おにゃんこクラブなら秋本さん。モーニング娘ならつんくさん。
Source
完訳 ペロー童話集 岩波文庫
シャルル ペロー (著), Charles Perrault (原著), 新倉 朗子 (翻訳)
Amazonのレビューより
「長靴をはいた猫」は猫の頭のよさのほかに、粉屋の息子が若くてハンサムだったこともキーポイントだったとは、これを読むまで知りませんでした。その他「眠れる森の美女」の王子の母「赤ずきんちゃん」の結末「シンデレラ」のお姉さん達への仕打ちみんな自分が読んだ絵本とはちがうのでした。童話の後にペローの書いた教訓がついていて、風刺が利いているので笑ってしまいます。子どもに読み聞かせるより、大人が読む本としておすすめます。
赤ずきん 偕成社 世界のどうわ
遠山 明子 (翻訳), グリム, イブ タルレ
Amazonの「Book」データベースより
おばあさんのおみまいにでかけた赤ずきんが、森の中でちょっとより道しているあいだに…。ヨーロッパ昔話の代表ともいえるグリムの赤ずきん。ほかに、かわいい姉妹と森の悪い小人のおはなし「しらゆきとべにばら」を収録。
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