2003年10月13日
仏教が好き!
「仏教が好き!」 この本は、最後の何気ない河合さんの一言を伝えたくて読んでいた。 中沢さんの話は難しくてちょっとわからないのと、面白くないので、河合さんの話を追ってゆく感じで読んでいた。
仏教と三大宗教との違い、中沢さんは詳しすぎて。教祖の人生が宗教に反映している。キリストは30代で刑死。キリスト教は青春の宗教。言うことが厳しい。それを言うなよなぁということもある。キリストは詩人じゃないか。性に関しては厳しい。性的な妄想を浮かべただけでも犯したのと一緒の罪がある。 マリアというお母様に関しては、キリストさん、むごいですな。母が出てきても「誰だこの女。」 イスラム原理VSユダヤ教..理解できない。神様どおしの戦いというのは痛々しくて。
それに比べて、仏教はぐっと生臭くなる。
仏教 小乗:厳しい修行、大乗:お釈迦様を拝もう、密教:仏教のスーパーパワーを現世に取り込もう。ある意味仏教はしっちゃかめっちゃか。 教義は入り交じっている。それはお釈迦様がながいきしたから。年代別に姿を変えていいんですよと、言うことをお釈迦様は最初から考えていたのではないのか。
日本人は無宗教といいながら一億人いながら9千万人ぐらいが初詣に行く。日本人は世界一宗教的な民族ではないか。戒律ではなく。これをしないと落ち着かない。
お釈迦様は仏教を嫌々始めた。初めて悟りを開いたときに、梵天から頼まれて嫌々始めた。 仏陀は、「私みたいに悟れませんよ。ふつうの人は。やめといた方がいいですよ。」
仏教は「律蔵」という経があって、これにはセックスは個別に解決してゆこうという態度をとる。
律蔵の面白い逸話を一つ。
「一人の修行僧が林の中で、食物で猿を誘い、その跡猿を犯した。その後その猿はお寺までついてきてしきりにセックスをねだるようになった。仲間内から密告があり、釈尊にこの修行僧はどうしましょうかと。」
釈尊:「猿としてはいけない」..という戒律を決められました。
ここで武田さんは淡々とした語り口調で、律蔵に納められている逸話を披露してゆく。結構とんちんかんな話があって思わず笑ってしまう。
律蔵はあまりに生々しいので日本に輸入されなかった。その中身の性の悩み相談はすごく実例集が面白い。
仏教の辛抱強さ、忍耐がある。天からばーんと「なんじ犯すなかれ」と押しつけるのではなく大きい戒律で人を締め付けるのではなく。個別に対応これって今の時代に救いになるのではないのか。
グローバルスタンダードは激突しか生まない。
仏教の持つ否定の論理。
これは重要
全体をとらえようとする科学の立場は、21世紀、もう無理なのではないか。
これから一番役に立つのは「課題研究」。
一つの出来事を徹底して観察する。このことは全体のためになる。
「全体を把握する」ことはもはや不可能で、私はこう生きたという個々の事柄が全体を励ます力になる。
Source
仏教が好き!
河合 隼雄 (著), 中沢 新一 (著)
Amazonのレビューより
この本を読んでようやくわかったことは、つまり仏教とは、いわゆる「宗教」ではないということだ。中沢新一のようにいえば、それは生きていくための「知恵」なのである。だから、あらゆる仏教に関する知識を蓄えた宗派があったとしても、それが「宗教」というかたちをとっているのなら、それはもう、仏教とはよべない。もしも仏教徒を自認するのなら、人はひとつの宗派、もっといえば、ひとつの宗教にこだわっていてはいけない。さまざまなものを見比べることが出来る「知恵」を、仏教というのだと思う。
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