2003年11月03日
神話の世界(その2)
日本のアダムとイブ,伊耶那岐命と伊耶那美神。
前回の話の続き。黄泉の国までいった伊耶那岐命は変わり果てた姿の伊耶那美神を明かりをともして見ていまい 殺し合いになってゆく。お互いに見ちゃならんもんは見るなよと言うことをちゃんと日本の最初の神様は教えてくれている。
そこで、追っ手から
伊耶那岐命は逃げ出す。
そこで繰り出すのが「櫛、紐、桃」これって似たような話がありませんかね?
そう、白雪姫の話と同じ。あれも「櫛、リボン、りんご」ですよね。
世界の話と低い部分(深層心理的という意味でしょう)で繋がっているという気がする。かつては、日本の神話がギリシャ神話から影響を受けている、またはその逆のような説があったが、近頃ではシンクロニシティがおきたのではないかと、いう。
伊耶那岐命と伊耶那美神に関してやっぱり家庭生活の話になるんですが、
一度だけ女房にね、「おねがい、隠し事は辞めて」っつんでね、ホントに隠し事は辞めたんですけどね。血の海のような家庭になっちゃったんですね。ヤッパ隠さなきゃならんことは隠さなきゃなんないんですよ。
そして
伊耶那岐命が禊ぎをしたときに
天照大神:太陽の神:女性
月読尊:月の神:男性
須左之男命:海の神:女性
が生まれ出てくる。3人というのがおもしろいですね。どこの神話も1神なのに。
生まれてすぐにトラブル。そのトラブルとは?
須左之男命(すさのおのみことがトラブルメーカー。
さんざん悪さして、そのために
天照大神
が岩屋に隠れて真っ暗。
岩屋から引き出す神々の会議でいろいろやってみる
天宇受売命が裸で、あそこを紐一本で隠して踊る。
ここで面白いこと、この会議では一人のリーダーもいない。みんなの意見でやっていくんだけど。
この逸話は剣と曲玉が喧嘩、剣が鏡として仲裁役をかってる。実は裏にリーダーがいて、フィクサーとしてまとめていく。これは、リーダーが表に出ない方がうまくいく。日本の典型的な問題処理の仕方。この陰のリーダーが月読尊(つくよみのみことではないのか?
この神話の話の展開って、似たような話が続いてくるくるくる回転していく。明るい側面と暗い側面が次々に入れ替わって展開する。そこが面白い。
Source
神話と日本人の心 (単行本)
河合 隼雄
Amazonの「BOOK」データベースより
日本を代表するユング派心理学者であり、『昔話と日本人の心』などの著作で独自の物語論を展開する著者が、日本神話の意味とその魅力をわかりやすく語る。他世界の多くの神話と異なり、太陽神はなぜ男性ではなく「日の女神」アマテラスなのか?繰り返し現れる神々の「トライアッド」構造とは何か?母との一体性、トリックスター、英雄…さまざまな顔をもつスサノヲとはいかなる神か?「見畏む」男神たち、流し棄てられた神ヒルコは何を意味するのか…。『古事記』『日本書紀』の世界を独自の観点から、また世界の神話・物語との比較をまじえた広い視野からよみとき、日本人の心性と現代社会の課題をさぐる。
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