2003年11月17日

日本シリーズ回顧

ダイエーが絡んだ2003年の日本シリーズ。日本シリーズの放送でダイエーに女性ファンが増えた。この戦いって単なる野球のゲームではないですね。まず監督の星野。これは社会現象にもなってる。東京のメディアはみんな阪神よりで報道している。

山城新伍なるダンディ俳優がラジオで思わず口を滑らした言葉。「阪神に決まってるやん。阪神が負けるわけ無いやん。ダイエーみたいなあんな田舎球団に。」この侮蔑の言葉にぱっと怒りが燃え移ったんですね。

(2003年の日本シリーズの勝敗や試合内容は ここが詳しい。)

さて、日本シリーズが始まる前に、ラジオの栗山という野球解説者。奇妙なことを言い始めた。ダイエーの城島に訊く。どちっが勝つ?

「いいかい、栗山さん。短期決戦ではね。弱い方が勝んだよ。」
この直感。この理屈をこの目で見てみたい。そして、この国に起こっている深い文化の根が動く。そしてこの対決を実際に福岡ドームで見るんですね。

ここでは、武田さんは、試合の状況をどんな選手をどういう場面に投入していったかを詳しく熱く語りますが、それはカット。面白い「外野」話をつまんでいきます。
野球だけに限らず、最近、東京に集まってくる情報で果たして日本を分析できるのか?日本を正しくとらえているのか?東京で、しかもマスコミの中で仕事をしていてそのことが疑問になってきました。ある意味阪神も含めて、ダイエーを知らなかったと言えます。

物語をたくさん持っているヒトは強い。これは私の持っている人生を生きていく中の定義。
タイガースの応援は波がない。大波小波がない。のべつ幕無し。ドドドドドドドという乱れ打ち。これは選手の集中力をそぐことになりかねない。
城島があいて打者の目を見てどこに打ちたがっているかを知るために、休みの日に繁華街でヒトの表情を読む練習をした。
阪神の大声援で、ホークスの選手はコミュニケーションが断ち切られた。王監督は耳栓を許可した。

さて、ホークスはホーム二つ勝って、ビジター3タコ。これは相当な罵声を浴びせられることを覚悟で、王監督は、「オレが先頭に立つから。一緒に新幹線で帰ろう。」そう覚悟して新幹線に乗った。
まあ、九州は悪いところは悪いから。王監督に生卵をぶつけるようなファンがいるから。
さて新幹線のホームに降り立った。ホームにいた人たちがナインにかけた言葉。
武田さんの超持ち味、優しい味のある博多弁で 「すまんかったねー。応援に行かれんで。寂しかったろう。あげな寂しい目はもうあわせんけん。」そこには涙ぐんだホークスファンがいた。
「ホークス球場に応援に行くけん。がんばって野球しちゃりぃ。勝ちたかったぁ。」あるスポーツ記者の見たところ、それをきいた王監督にすっと涙があったそうな。松中が低い声で城島にささやいた。「監督に恥はかかせたくねぇなあ」
そしてダイエーはホームで奇跡の3連勝。初のホーム優勝を成し遂げる。 私はこの新幹線のホームでのヤジが大きく流れに力を与えた。そう思った次第であります。

(2003/11/17~21 放送)

Source

cover 2003年度 日本シリーズ 全試合

阪神タイガース/福岡ダイエーホークス

Amazonの「Oricon」データベースより
ダイエーファン、タイガースファンのみならず、全国のプロ野球ファンが熱狂し歓喜した日本シリーズ全7試合を収めた映像作品。ホームチームが勝利するという史上初の展開で、まさに選手とファンが一体となった2003年度日本シリーズの全得点シーンやファインプレーなどをダイジェスト編集で完全網羅。

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