2005年10月12日

凋落の汐見橋

美しいまでの凋落を鑑賞するなら、南海高野線の汐見橋駅につきる。そもそも凋落ってのは現存してなければ達成できない境地であって、廃止されてはならないし、凋落がレトロと勘違いされてブームなどになってはならないのである。

その意味でこの駅舎はレトロ建築でもない。ただ汚いだけの昭和30年代のモルタル作り。何とも美しい存在である。

駅構内。この駅が高野線の始発であった華やかだった時代の名残が掲げられた路線図に残っている。昭和30年代ものであると断り書きが添えられているのもうれしい。

路線図。アップにしてみたけどやっぱりよくわからない..

「汐見橋」の鉄道としての現況ルポは以下のページが詳しい。
レイルストーリー4 哀愁の汐見橋駅
南海高野線汐見橋支線
南海汐見橋支線

1998-01-05撮影

貨物駅跡?木津川沿いに気になるカーブを持ってる地区がある。芦原町-木津川間で開業当時の水運と鉄道との関係を考えると、あってもおかしくなさそうに思えるが..

汐見橋へ至る線は、戸籍上は高野線だが、事実上、運行は「汐見橋線」としてローカル折り返し運転で高野線ですらない。以前は、「岸里駅」で南海本線と高野線は交差していたのだが、南海本線の高架化に当たっては、すでに運行上別線扱いになっていた「汐見橋線」を本当に「別線」にすることにして、交差を解消することにした。そのついでに、近すぎた玉出駅との統合を図った。大昔「大阪高野鉄道」を完全に併呑しようとした南海鉄道の妄執のようなものが、この衛星写真から感じ取られるような気がする。

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