2005年10月17日

「金八先生」夏休みの宿題 名古屋 御園座

8月公演の思い出話をしようと。もしかしてこれくらい時間が経ってからの方がいいんじゃないかと。 名古屋の御園座で1ヶ月、 「金八先生」夏休みの宿題のはなしを。

ラジオの放送には全く向かないのがお芝居の思い出。同じお芝居を42回やるわけですよ。同じ筋で出演者が次々に変わっていく。この夏の公演はターニングポイントというか、ある意味折り返しにタッチしたようなステージでしたねー。舞台に立つという意識が自分の中で大きく変わる。

東京でお寺さんの座敷を借りて稽古して名古屋に乗り込んだんですが、そのまえに、うまくいかなかったところをやっててイヤーな感じのところをカットしようと。東京で受けなかった箇所をカットしようとして、バッテンつけて読み始める。はっと気がつくと..全部私の台詞でした。

そこは気負いがあって ここはこれを俺が言わなきゃってところを1枚半くらい切ったら流れる流れる。俺の気負いで舞台を止めてたんじゃないか。自分がじゃましていると言うことを自分ではなかなか気づかない。
と、名古屋の支配人の人に言ったら「...そうでしょ。」「そう思ったんですよ。いいこと気づかれました。」って拍手をしながら...って手を叩くなよ。

名古屋は活況にわいていて、万博に撮られるんじゃないかと また氷川きよし演歌公園とぶつかる まあ7割程度の入りだった。お客さんが落ちない。昼の部は小中高校生の観客が多くて劇場スタッフもおどろいた。

夜、BSで寅さんをやっていた。寅さん1本みてバタンきゅうで寝る。ただの喜劇ではない。渥美という人の芝居がいかにすごいか。楽屋で私が夜寅さんを見てておもしろいって言うモンだから、座員がまたこの寅さんを見ていて座員の芝居が変わってくる。

ある、若い役者がへたくそな老人役をやってるんですがこれがヘタ。そこで、寅さん見て 老人役 笠智衆(りゅうちしゅう)の真似しろ。森重のやり方 志村喬(しむらたかし)のやり方 3パターンあるから、それを見て勉強しろと。老人はつかまって、立ち上がったりしない。立ち上がってよろめく。だから老人らしく見える、 すると、その役者が寅さんを3本見てからぱっとよくなり始める。同じ舞台やってるから誰がうまくなっていくかよくわかる。本当に。一人の俳優をかつての映画俳優が刺激する。すぐにそれを実践する発表する場所がある。舞台って意外とありがてぇぜ。って思ったわけです。

(2005/10/17~21 放送)
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