2007年02月21日

鉄輪(かんなわ)へ・沸騰で自噴を見る

うちの近くのバス通りは、以前は1日2本(!)という超閑散路線だったのだけど、どうやらそれは路線権(?)を確保するためのものであったらしく、沿線人口が十分に増えて採算が見込めると踏んだのか1時間に1本という超便利なダイヤに生まれ変わった。そのバスが別府を別府たらしめている鉄輪を経由するので、試乗をかねてそのバスで鉄輪へ観光旅行だ。

港中央通りをすすむ。ちょっとした繁華街になりつつある。国道10号線と平行しているが、国道は多くの信号機があってしかも待たされるのが長いので、市内を移動する車はこの道に入ってくる。

九州横断道路へ出て、山を目指す。以前は県道だったこの道も、高速道路ができるに及んで国道500号となった。4車線の立派な道路だが、これは別府インターまででその先は2車線の狭く曲がりくねった道になる。中央分離帯の蘇鉄、野焼きで山を平らにした風景が観光地の感じを盛り上げる。

鉄輪が近づいてくる。激しく立ち上がる湯煙が見えてくる。

鉄輪のバスターミナル。最近リニューアルされて明るい感じになった。それまでは、地方の廃れた「バス駅」といった風情で、それはそれでマニア的には面白かった。亀の井バス専用で、大分交通の「鉄輪」終点は別の場所にある。これでは不便だ。鉄輪の中心地に位置するこのバスターミナルを共同利用するように出来れば、観光客にとっても別府の観光にとっても、そして両バス会社にとってもプラスへと働くだろう。

鉄輪バスターミナル横の道をあがると稲荷神社がある。が、そこへ寄るのはあとに回すことにして、早速温泉噴気に近づいてみる。

すぐ近くからは激しく噴気をあげている煙突が何本も立っている。

ターミナル近くの空き地から激しく煙が上がっている。

近づいてみると、なんと地面から直接湯気が上がっている。地面が熱い。吹き出しているのは温泉と湯気だ。

もっと地面をよく眺めてみると、ボコボコと沸騰状態だ。沸騰状態で温泉が空き地に自噴しているのはここ一帯が地獄原(じごくばる)と呼ばれていたことでもわかる。このあたりすべてがかつてこんな状態だったという。 時々、爆発などを起こして、なかなか近寄りがたい場所だったようだ。爆発はおそらく湧出物が詰まることで起きる水蒸気爆発のようなものだったのだろう。

ちょっと風向きが変わると、噴気もその向きを変える。水面の様子がさっと変わる。

さらに激しく噴いている場所を探してみる。あたりにはすでに硫黄溜まりが出来つつある。

こうして、自噴の現場が放置されているのは、経済的な理由もあるだろうが、湯と蒸気が常時噴出している状態にしておけば危険はないと判断されているのだろう。

横には櫓が建てられていて、本来なら、これをしかるべき装置でくみ上げ温泉施設へ流したいところ。だが、おそらく資金がないなどの理由で放置されているのだろう。おかげで、別府地獄の原点をこうして目の当たりにすることができる。ここは地獄地帯と呼ばれて「観光地獄」が点在しているが、それらは作り物の感があって、こういう自然状態を放置したものではない。

温泉の定義を変えてはどうか。
ここのように、沸騰状態で自噴しているもののみを温泉とするのだ。 これで日本の温泉地の半分は温泉を名乗れなくなる。
温泉法という法律の言わばザルを、かいくぐることで東京なんかでも温泉が湧いていることになってしまう。渋谷で温泉施設が爆発して吹き飛び死者まで出したが、あれも掘削技術の発達がなければ起きなかった事故だ。

鉄輪温泉街に繰り出す前に 湯乃徳稲荷へ参る
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