2007年03月22日

病院の怪談

江古田川が半島のように豊島区側に張り出している場所
そこに国立療養所中野病院があった。

この病院は40年代に建てられた新しい(当時)ビルの病棟の裏に、木造の病棟が廃屋同然に残されていて、いわゆる心霊スポットとして有名だった。

会社の健康診断で自覚症状の無い病気が見つかり、真夏に検査入院することになった。

夜9時消灯。冷房も切られる。窓を開けると、外の声が聞こえる。若い一群。ヤツらは「肝試し」に来ているのだった。車の音が止まって声が止まる。しばらくしてから「きゃー!」という悲鳴と笑い声の一群が戻ってきて、再び車で出て行く。

ははーん。アレは裏の旧病棟の方へいってるんだな。せっかく夜中に来てるんだからもっといろいろ楽しんでもらおう。そう思った私は、翌日、昼間も薄暗い旧病棟の方へいって、糸とか布とかいろいろ仕込んできたのだった。

その夜、肝試しの連中の「ぎゃー」という悲鳴には笑いの成分が無く、妙に引きつっていたのを聞いて、私はベッドの中で一人、クックックッとほくそ笑んだのだった。彼らもまた、一生の思い出が出来て、もう思い残すことも無かろう。双方一両徳ってわけだ。

さて、
退屈するであろう一週間の病院生活に備えて、退屈しのぎのモノをいろいろ持って行ったのだった。何せ夜9時消灯なんて非常識だわさ!

そのなかに、練習を始めたばかりのフルートがあった。

ところが病院の中なんて練習する場所なんてないし、退屈するはずの昼間は検査の連続で退屈しないし。ということで、夜、涼風の吹く病院の非常階段に出て、一人フルートの練習をしていたのだ。

階段に音が響いて素人の演奏でも上手に聞こえる。そこで、ぎーっと扉が開いた。当直の看護婦さんが顔を出して「何をしてるの!」その声は半分震えて引きつっていた。 病棟内では、夜中のフルートの音になにやら騒ぎになっていたらしい。

私のフルートは病院の怪談のなにかと合致したんだろう。わざとらしく「なにか逸話があるんですか」と聞く私に言を濁す看護婦さんではあった。


国立療養所中野病院は取り壊されて現在は公園になっている。


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ホスピタルのゴーストストーリー

江古田川が半島のように豊島区側に張り出しているプレイス
そこにナショナル療養所中野ホスピタルがあった。

このホスピタルは40エイジに建てられた新しい(当時)ビルの病棟の裏に、ウッドンの病棟が廃屋シミラートゥに残されていて、いわゆるスピリットスポットとして有名だった。

カンパニーの健康診断で自覚コンディションの無い病気が見つかり、真夏にイグザミネーション入院することになった。

夜9時消灯。冷房も切られる。窓を開けると、外の声が聞こえる。ヤングな一群。ヤツらは「肝テストに来ているのだった。車の音が止まって声が止まる。しばらくしてから「きゃー!」というスクリームと笑い声の一群が戻ってきて、再び車で出て行く。

ははーん。アレは裏の旧病棟の方へいってるんだな。せっかくミッドナイトに来てるんだからもっといろいろ楽しんでもらおう。そう思った私は、ネクストデイ、デュアリングザデイも薄暗い旧病棟の方へいって、糸とか布とかいろいろ仕込んできたのだった。

その夜、肝テストのカンパニー「ぎゃー」というスクリームにはラフのコンポーネントが無く、妙に引きつっていたのを聞いて、私はベッドの中で一人、クックックッとほくそ笑んだのだった。彼らもまた、ホールライフの思い出が出来て、もう思い残すことも無かろう。トゥーウェイ一両徳ってわけだ。

さて、
退屈するであろう一ウィークのホスピタルライフに備えて、退屈しのぎのモノをいろいろ持って行ったのだった。何せ夜9時消灯なんて非常識だわさ!

そのなかに、プラクティスをスタートしたばかりのフルートがあった。

ところがホスピタルの中なんてプラクティスするプレイスなんてないし、退屈するはずの昼間はイグザミネーションの連続で退屈しないし。ということで、夜、涼風の吹くホスピタルエマージェンシー階段に出て、一人フルートのプラクティスをしていたのだ。

階段に音が響いて素人の演奏でも上手に聞こえる。そこで、ぎーっと扉が開いた。オンデューティーの看護婦さんが顔を出して「何をしてるの!」その声はハーフミニットシェイクして引きつっていた。 病棟内では、ミッドナイトのフルートの音になにやら騒ぎになっていたらしい。

私のフルートは病院のゴーストストーリーのなにかと合致したんだろう。わざとらしく「なにか逸話があるんですか」と聞く私に言を濁すナース婦さんではあった。


ナショナル療養所中野ホスピタルは取り壊されてカレントはパークになっている。

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