2007年10月30日

2006年 空と鉄道の旅 その1

2006年11月。待望のアーノンクール率いるコンツェントゥス・ムジクス来日。それを聴くために上京するのだが、ついでにいろいろと旅行と楽しもうという計画。まずは大分空港から空路、名古屋の中部国際空港へ。

中部国際へ飛行機で向かう

大分空港。出発ロビーから搭乗機を見る。ANAのボーイング737。中部国際空港ゆきには意外と乗る人が多い。が、その多くはどうやら研修中にかのスーツの一群。あの団体客がいなければ、普段の大分-中部便はガラガラなのではないか。大分空港を離陸する。風向きの関係か北向きに離陸するので180°旋回して豊後水道を太平洋へ向かって南下する。


豊後水道を南下中。機体右側の窓から外を眺めるが雲の上。しばらく進んで四国の宿毛上空あたりで左に旋回をする。


窓から下を見ていると、くねくねと蛇行する河を見つけるきっと四万十川だ。カメラで写してみるが写真に水面が光って写っているのはその隣の蛎瀬川らしい。飛行機は高知県上空を太平洋岸に沿って飛行している。四国の見所をまとめて見せてくれているようでうれしい。


いきなりリアス式海岸の豊かな内海が見えてびっくりする。浦内湾というらしい。見るからに豊かな海が荒い太平洋に沿って続いているのはおもしろいと思った。自然の恩恵を十二分に受けているところだと感心。と言うことはこのあたりが高知かと思って目をこらしてみてみてもそれらしき町が見えない。高知は機体の左手だったらしい。


太平洋の方へ目をやると水平線が湾曲している。目の錯覚か航空機の窓が局面になっているせいか..本当に航空機から水平線を見ると地球が丸いということを目で確認できる。


やがて室戸岬が見えてくる。室戸岬付近はもっとすらっと伸びていると思いこんでいたが、飛行機から見下ろす地形はこんなにも違うのかと思う。


眼下には安芸市 安芸川と伊尾木川が土佐湾に注いでいる。エンジンには「人が近づくな?」のサインがみえる。ぴかぴかに磨き上げられた表面には機体の窓が並んでいるのが反射している。


室戸岬の突先を通過。そうそう、地図で見たとおりだ^^ 室戸岬を通過してしばらく太平洋上を進み紀伊半島の先端に向かう。


次に見えた陸地は紀伊半島 日置川 一山越えて周参見の町も一目で見通せる。極小さいのだが国道42号が山裾を越えて海に湾曲して張り出している様子まで見える。
この区間箱の湾曲の部分以外は長いトンネルで、ここの開通はおそらく地元の悲願だったんだろう。この前後の区間を地図で見ると地形に沿って曲がりくねっているが、この日置-周参見間は高速道路のように優雅な曲線でつながっている。


高い山の峰伝いに飛んでいる感じ。急峻な紀伊山塊の山肌が目下にあると思えば、意外に複雑な海岸線と美しい水面、そこに真珠のごとく点在するまちまちが何故か愛おしく目に映る。ここが新宮の町。蛇行しているのは熊野川。世界遺産の熊野古道もこの視野にあるのかもしれない


海岸線が美しく湾曲しているのが七里御浜。紀伊半島の海岸線はリアス式のように入り組んだ箇所とこのように美しく弧を描くところあって変化に富んでいる。空から眺めているのが惜しいくらいだ。七里御浜の左手、このあたりから熊野市になる。


尾鷲湾。隠れ入り江のごとく、備蓄タンクなんかがあって、鉄塔もあって...
何でも日本一雨が降る町なんだそうだ。
高い鉄塔は中部電力尾鷲三田火力発電所。備蓄タンク群は中部電力の子会社 東邦石油尾鷲工場。石油を精製して火力発電所での発電に使っているというわけだ。遙か向こうには、本州に沿って雲が列をなしているのが見える。


紀伊長島。熊野をすぎてから海岸線が複雑になる。太平洋の黒潮とこの複雑な海岸線、そして背後には豊かな山林があって、海の幸がさぞ豊かだろうと思う。なるほど、この先、志摩半島で真珠の養殖が盛んなのもうなずける。
このあたりで、飛行機は着陸態勢にはいるということで電子機器が御法度になってしまった。デジカメで撮影ができない。飛行機に乗るときには、空港で使い捨てのワイドカメラを買う必要があるなーと思った次第。


中部国際空港に着陸。ボーディングブリッジに接続してから撮った空港内の写真。広々とした空港

名古屋の最新鉄道に乗る

空港に隣接した名鉄の駅へ向かう。少し歩かなければならない。この辺の導線には工夫の余地があるように思えるが会社が異なるのでそうもの行かなかったのかもしれない。出発ロビーと到着ロビの真ん前に駅の出札改札が対面するように設計できなかったものか。


ミュースカイに試乗する。チケットを買って改札にはいるとさすが、全ホームドアか。


と思えば2,3番線はホーム側が大きくあいている。特急車以外はドア位置が固定していないから無理からぬことではあるが、何となく釈然としない。


1番線に止まっているのは乗り込む2000形ミュースカイ。こちらはぎりぎりまでホームにガラスがあって先頭部分は撮影できない(>_<)


車内は新しくて清潔な感じ。


座席の前には「チケットホルダ」があって、そこの乗車券を挟んでおく。ヨーロッパ特急とかにもある方式だが、このチケットを前の座席に挟んでおくというのが、本格的に稼働しているのを見かけたのは、チケットホルダのない近鉄特急の中だけだったんだが...

常滑をすぎると、いかにも郊外の私鉄沿線という雰囲気の町々を通り過ぎて車窓は楽しめる。何しろ高架区間が少ないのがよい。鉄道は地面を走るのがやはり乗っていても一番たのしい。したがって、その間の写真は無し^^;

つづいて名古屋万博の落とし子、リニモに乗りに行く。

リニモとはこれいかに

地下鉄東山線の終点藤が丘。どこにでもありそうな郊外駅。地下鉄が高架でリニモが地下。これまた釈然としない。交通局の車庫があるんだから、その上をぐるりと回して藤が丘駅のコンコースに直結させた方が良かったんじゃないのか。


リニモにはこの地下区間のある一駅だけ運転室に運転手が乗務する。この手のボタンを押したら発車から到着まで全自動で行うシステムに乗り込む動力車免許を持った運転手の心中は如何。


がらがらの車内にかぶりつきの席に私を乗せて発車する。急勾配急カーブが連続するがスピードを落とさずにすいすいと走るのはさすが浮上式と言えよう。


車内は、「ゆりかもめ」などのゴムタイヤ式の「新交通」電車の車内によく似ている。小型車両の交通機関というとこんな感じの車内設計が定着しているようだ。


郊外の丘陵地帯を走るのでアップダウンが激しい。これは終点八草に向けての急カーブ急勾配。ほぼ全線道路沿って走るのだが、リニモはそれほどスピードを出せない。しかもここは名古屋圏にあって車社会で走る車は飛ばすのだが、ある急勾配の区間では坂にあえぐ車を楽々と追い越す場面もあって、HSST方式も高速度バージョンを展開していけば車からの客を奪えるのではと思った。


まあ、これも万博の展示物の一つ。こんなにすごい坂もカーブも楽々ですよというアピールをするためにあえてこういう場所に設置したのだと理解した。
再び名古屋に戻るが、これは名鉄瀬戸線に乗った。地上を走る電車の揺れを楽しんだので、写真は無し。

あおなみ 夕波 SF並

夕方、あおなみ線 に試乗。あおなみ線を夕方にしたのは目論見があった。
臨港地帯を走る高架線、そこに夕日が横から差し込んで..と言う光景。
名古屋駅の端に無理矢理押し込んだようにあおなみ線のホームがある。


笹島あたりまでは貨物線と供用でコンテナ列車とすれ違ったりする。 その先は、臨港線敷地を利用した新設高架で、まるでリニモのように揺れずにすいすいと走る。リニモはわざわざ宙に浮かす必要がなかったんじゃないか思った。


そして期待通りの夕日。

電車が進む目前には、名港中央大橋が遙か高いところを走っていて、まるでブレードランナー描くSF都市だ。ああいうSFで育った世代が実際に施工に関わるような時代になると、あのSF都市が実現していくんだという見本のような場所だった。
中央大橋はファインダーに収まりきれず、撮影を断念orz

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