2008年04月06日

折尾駅改良に伴う複々線

折尾-黒崎間方向別複々線化

折尾町-7 ( 折尾駅周辺連続立体交差事業 )には、折尾駅の筑豊線立体交差解消と鹿児島線部分の複々線化工事の進捗状況が載っている。地元の方が丹念に折尾の歴史をまとめられているサイトで、当該リンク以外のページも見応え十分な内容だ。

その筑豊線トンネル部分の写真を見てみると、なんとオープンカットでトンネル部分を構築した後、埋め戻されるという珍しい工法を採っている。筑豊線から交差している折尾駅部分を経由せずに鹿児島線へ直接繋がっていた短絡線が、大きく迂回して折尾駅の鹿児島線ホーム位置へと移設され、折尾駅部分の鹿児島線が事実上の複々線となる。複々線の方式は筑豊線の上下線が分かれ、鹿児島線を間に挟む方向別複々線となる模様だ。尚、リンク先の図面は鉄道連続立体化工事に伴う道路特定財源拠出の関係から、各線区の移設という形態を取っており、「短絡線」「筑豊本線」「鹿児島本線」が別線路別ホームとなるような描き方をされているが、筑豊本線のトンネル工事の状況から、方向別となるのは間違いないと見られる。

というわけで、折尾駅部分が方向別になるのなら少なくとも黒崎までは方向別複々線になるだろうと予想を立ててみた。黒崎駅にはすでに二つホームがあって、筑豊線折り返し用のホームは旧態依然な古い感じが残っているがこのホームの改修はそれほど難しいわけではない。そこで、折尾駅のホームまでは旅客線は方向別の複々線になるとして、黒崎駅西方のオーバークロスを生かす形で、折尾-黒崎間の方向別複々線の配線を予想してみた。

折尾駅配線

北方から順に1番2番と番号が振られると仮定すると次のような使用方法となろう。
  1. 筑豊線・若松方面
  2. 筑豊線・若松方面
  3. 鹿児島線・上り各駅停車、筑豊線直通上り
  4. 鹿児島線・上り特急・快速
  5. 鹿児島線・下り特急・快速
  6. 鹿児島線・下り各駅停車、筑豊線直通下り
  7. 筑豊線・折尾折り返し列車
1・2番線は基本的には若松線発着となろう。一部列車は筑豊線直方方面と直通すると思われる。
3・4番線は鹿児島線上り方面、緩急接続、筑豊線直通列車上り
5・6番線は鹿児島線下り方面、緩急接続、筑豊線直方方面下りで、これは今までできなかった鹿児島線下り方面の緩急接続が折尾で取られることになり、鹿児島線のダイヤに余裕が生まれる。しかも筑豊線列車とも折尾で接続可能で、様々な可能性を持つ
7番線は波動需要用で、通常日中のパターンダイヤでは用いられないと思われる。通勤時間帯に折尾折り返しの筑豊線直方方面列車など一部の使用となるだろう。

陣原駅配線

方向別複々線となることで、貨物列車は貨物線から旅客線へと本線横断して転線する必要が無くなり、1線分ずらして現1番ホームは使用されなくなる。

オーバークロス部

現オーバークロスしている線は両線とも上り線となる。図のように地上部分の貨物線は、上り内側線からも外側線からも入れるように接続し直す。下り線へはアンダークロスが終わった位置から、下り内側線、外側線へと接続する。この際、内側線をわたる部分には弾性ポイントを使うなどして、内側線側の速度低下を招かないようにする。オーバークロス部の南側には線路を敷く余裕はぎりぎりだと思われる。その場合には盛り土部分を削って、橋脚化することで用地は生み出せるだろう。

黒崎駅以東が方向別複々線化された後も、黒崎駅貨物施設を残すなら、このオーバークロス部の配線は有効といえるだろう。国のモーダルシフト政策が進めば、筑豊線にも再び貨物列車・貨物電車などが走ることが予想され、そのためにもこれらの施設は残しておくことが望ましいだろう。

黒崎駅配線

黒崎駅構内までは方向別複々線となる。先のオーバークロスを使って貨物線の複線を取っているので、北方の貨物ヤードはほぼ現状のまま使われる。筑豊線列車が黒崎で折り返す本数は減ると思われるが、折り返し列車用に東方に折り返し線を設置する。

ダイヤを考えてみる

現ダイヤでは、下り門司港発筑豊線経由博多行きは「快速」ではあるが、鹿児島線内は各駅停車だ。直後に鹿児島線「準快速」がくるが、この両列車が折尾で相互接続を取るようにする。そのあとに、「快速」「特急」とつづくが、これも「快速」は折尾で「特急」に接続を取るようにする。特急は複々線区間で快速に追いつく。その後、八幡で特急に追い抜かれた鹿児島線各駅停車が接続無し=待避無しで発車する。これを20分パターンで繰り返すとすると、次の表のようになろう。
 
(快)
鹿
(準)
鹿
(快)
鹿
鹿
(普)

(快)
鹿
(準)
鹿
(快)
鹿
鹿
(普)

使用線
黒崎 953 955 1004 1005 1007 1013 1015 1024 1025 1027 1029
陣原 957 1010 1017 1030
折尾 1000 1000 1009 1009 1013 1020 1020 1029 1029 1033 1033
  × ×
折尾 1001 1001 1010 1011 1014 1021 1021 1030 1031 1034 1034
筑豊線の線形改良が進めば、日中にも門司港-筑豊線経由-博多間の特急を走らせてもいいかもしれない。この場合1時間おきとし、折尾駅で先行の普通列車に接続を取る形になる。この場合、黒崎から普通列車は内側線に筑豊線特急列車は外側線を走ることになる。

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