2008年05月30日

サマータイム導入に反対!

経団連が推している点がいかにも怪しい。要するに丁の良い労働強化を図りたいというのが彼らの本音だ。

先進国では日本だけが導入していないというのも変な議論で、「先進国」はヨーロッパなどの高緯度地域で、夏期の日照を有効に生かそうという発想はまだ納得できる。なにしろ、暖かいというイメージのある南スペインでさえ日本の東北地方と同じ緯度だ。ロンドンやパリは北海道と同じ緯度だ。

しかし、そのとうの高緯度国であるロシアではサマータイムを廃止しようとする動きが出てきている。その理由がふるっている。「サマータイムは健康に悪い」と言うことらしい。その証拠に

インタファクス通信によると、廃止法案はミロノフ上院議長らが中心となって今月二十三日に提出した。提案理由として、毎年のサマータイム移行後の二週間に、救急車の出動要請が12%増え、心筋梗塞(こうそく)による死亡も増加していると指摘。サマータイムは健康悪化を招いていると結論づけた。

サマータイムによる節約効果は微々たるもので、0.1%程度。しかも日本は低緯度国で、朝涼しいとはいえじめじめした時期に出社すれば結局はクーラーを入れることになるだろう。定時退社といっても、まだ日が高いうちから飲みに行くのもはばかれる。

経済効果を歌う意見もあるが、これとて大きな疑問符が付く。要は「明るいうちから風俗にいけるか?」ってなことですよ。1日が25時間になるわけではない。一時間早く起きて一時間早く寝るだけのこと。

それどころか、大変な出費が伴うのも事実。鉄道や航空などダイヤで動いている調整が大変だ。特に海外へ飛んでいる航空会社は現地との発着時刻の調整が必要。しかも成田空港は離発着時間が限られていて、夜間発着の調整で200本近くが影響を受けるという。

さらに、家庭にあるタイマーを内蔵した家電をすべて調整しなきゃならない。できますかこれ。時計はもちろんテレビやビデオ、エアコン、携帯電話にパソコン、洗濯機や炊飯器にまでタイマーが内蔵されていてこれを年2回調整しなければならない。

かつて、日本でも進駐軍によって「夏時刻法」によって4年だけ実施されたことがある。当時この「夏時刻」を体験した人の評判はすこぶる悪い。「眠かったーーー。」そして、一番評判の悪かったのは、「明るいうちに会社をひけるのは 気が引ける」と結局労働強化になった。また、西日本でも朝真っ暗なうちから仕事に出るのか!?など、まあ、日本人の生活習慣には全くそぐわないことが解り、廃止になった。

結局、夏ばて になるような時期に、人間の生活リズムを変えるのは良くない。もっとも、終戦直後とと現在とでは、ライフスタイルが異なる等の意見がある。「退社後の活動の幅が広がる」「家族と触れ合う時間が増える」と言う意見もある。その「退社後の活動」を支える産業が栄えれば、その分野での二酸化炭素排出は増えるし、労働強化につながることにもなるだろう。

おもうに、江戸時代まで通用していた日本の「不定時法」の時間割が如何に生活リズムに即した時間であったか。私らの祖先はサマータイムをすこぶる自然な形で生活に取り入れていたのだった。現代ではもはや戻ることは叶わないのだが..

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