2008年08月06日

森が海を育てる(その3)

「のし」の話

「のし袋」の「のし」って何か知ってるか?これは「のしアワビ」こと。あの大入り袋なんかに時々書いてあるひらがなの「の」の字のような絵はアワビを薄くのばして干した=つまり熨したのをかたどってるんですよ。

漁師って、担当している海産物で性格が違ってる(笑)たとえば、海が荒れて漁に出られないときには全くのオケラ。一旦出ると大金になるような、大間のマグロなんかの場合は、まるでディーラーのような性格になるんだそうな。

養殖業を生業としている人は又違う。それは、どんな性格になるのか?養殖業でアワビの放精に偶然成功したあるアクシデントとは?

鰻の話

古代ギリシャのアリストテレスは鰻は川で発生していると考えた。これが大間違い。1897年にイタリア本土とシチリア島の間のメッシナ海峡で鰻の幼生が発見されて以来、鰻は海で生まれて川にさかのぼってくるらしいことが解ったが、具体的な産卵場所などは解らなかった。これを研究したのがヨハネス・シュミット。一生をかけてヨーロッパウナギはなんと、大西洋のバミューダ海域のサルガッソー海が産卵であることを突き止めた。なぜ、ウナギはわざわざ長い絶食までして、バミューダまで泳いでいくのか。それは、かつての「河口」を目指しているのではないかという説がある。60万年前の川の流れに沿って、かつての河口(現在は海)へたどり着いて産卵しているらしい。

東京湾は豊かな漁場

中央公論社刊 「日本の発見」で 某著名人らが飛行機で東京湾を上からくるっと眺めて、「三番瀬なんか、とっとと早く埋め立てろ」と言ったそうな。三番瀬は東京湾に残された最後の浅瀬、それも最上質な漁場で、水揚げ額だけでも年間10億円にのぼるという。鋤簾で一回掻き取るだけで20キロからのアサリがとれ、その味はバツグンなんだそうな。

そんな、豊かな漁場が失われそうになったときに、漁師達の横のつながりはどんなものだったのか。畠山さんはどんな活躍をしたのか。

(2003/12/22~26 放送)

Source

cover 日本<汽水>紀行―「森は海の恋人」の世界を尋ねて
畠山 重篤 (著)

内容(「MARK」データベースより)
森と川と海が一つになるところに、人間にとって大切なものがある-。「森は海の恋人」の植林運動を行ってきた気仙沼の漁民が、海藻・魚介の宝庫である汽水の恵を求めて全国の河口をめぐるエッセイ。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://saiquet.sakura.ne.jp/8869/mt-tkereb.cgi/458