2006年02月03日

「真の」長崎新幹線

先頃その 名称が「ざらめ」に決定した長崎新幹線であるが、 まあ、だいたい今の長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート(長崎ルート))議論は実質を欠いている。そもそも、当初の計画では「新幹線ができれば、博多-長崎間は15分程度短縮」とされていたが、新幹線なんか作らなくても、「885系白いかもめ」を導入してこの目標はあっさり達成されてしまった。関係自治体の動きを見ていると、 「長崎新幹線の経済効果」=「新幹線建設から如何に補助金や利権を引き出すか」 であることは明白だ。


曲がりなりにも「新幹線」を名告るのであれば、「圧倒的な時短効果」乃至「圧倒的な輸送効率」が結果として得られなければならない。 現在の長崎新幹線計画 からはいずれの結果も得られない。

しかも、現在の成り行きを見ていると、対案を出さずにゴネるだけの鹿島市とその取り巻きの動きは不利に傾いていて、時短効果も輸送効率も無い新幹線が建設されてしまいそうだ。

それはそれで、ネタとしては面白いが、新幹線に「未来」を感じて育った私としては何とも残尿感が残る。そこで、実現不能な「萌える」私案をここで出して、オダを上げたいと思う。

博多-佐賀

現在の博多南駅付近から分岐し、国道385号線に沿う形で背振山地を越えて佐賀に向かう。坂本峠付近に長大なトンネルが必要になりそうだ。平野部に出てからは佐賀市街地北部に「新佐賀」駅を新設する。

現長崎線と交差するのは、佐賀-鍋島間になるので、この付近に軌間変換施設をつくり、佐世保へ向かう列車の直通を可能とする。鳥栖-肥前山口間の既存長崎線はJRの存置路線として残存可能だろう。

肥前山口からの「佐世保・ハウステンボス」ルートは在来線高速化工事を行って、フリーゲージトレインを導入する。

佐賀-大村

この案の「圧巻」鹿島ルート。博多長崎間に定規をおいて直線を引いたら、たまたま佐賀と鹿島と大村を通った。というのがホントの話だ。半島を横断するために再び長大トンネルを掘削する必要があるが、時短効果は抜群だ。

この場合、長崎線 肥前山口-長崎間、大村線は平行在来線扱いとなって、廃止または3セク転換が相当だろう。この場合、新幹線から無視される諫早市はお冠だな。長崎線・大村線の長崎-諫早-大村間はJR運行にして、「新幹線リレー号」を運転してお茶を濁すのも良いかもしれない。JR四国から、振り子気動車を払い下げてもらって、大村-諫早-島原鉄道直通の観光列車にしても面白いだろう。

大村-長崎

もう一つ圧巻な場面が登場する。長崎空港駅の新設と大村湾を渡る長大鉄橋の架橋だ。スゴイ眺めになるだろう。もう、ワクワクしますよ。長大鉄橋を抜けて長崎に向かう途中もトンネルをいくつも掘削する必要がありそうだ。

さて、これができあがると、無停車、最高速度300km/hで走行すると博多-長崎間は20分台で到達だ。現在の「白いかもめ」が1時間45分程度なので、圧倒的な時短効果だ。長崎からは「ちょっと博多・天神へ買い物。」と市内電車なみの感覚で福岡へ行ける。福岡から「出張」すれば事足りるので、長崎市内からは全ての企業の支店営業所が消えるだろう。ストロー効果ってやつだ。

佐世保方面への列車を分割併結するのは「新佐賀」駅となる。各駅停車タイプで、途中駅で速達タイプから追い越される列車であっても40分程度で博多-長崎間を結ぶことができる。

もう一つは長崎空港連絡。「山形・秋田新幹線」の副産物で誕生した「標準軌間の近郊電車」を長崎-長崎空港間に導入して空港ダイヤに合わせて運行しても良い。運行主体は、長崎新幹線の線路を借りる形で別会社がこれを運営しても良いだろう。

建設費は、ざっと1兆円弱といったところか。長大トンネルの掘削や巨大鉄橋の架橋で、九州新幹線の新八代-博多間で見積もられている建設費を大幅に上回ることになる。最初に「実現不能」と書いた理由はここにある。経済効果が建設費に見合わない。残念。

新幹線計画に合わせて 長崎市電改良案 新幹線の配線案 も、考えてみた。

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